災いを転じて福に。

 皆さん、こんにちは。新型コロナウイルスが世界中で猛威をふるい、日本でも非常事態宣言の発令や小・中学校の休校継続、事業態勢の変更など、これまでに経験したことのない状況となっています。皆様もさまざまに不便や不安をお持ちかと思いますが、「手洗い・うがい・咳エチケット・3つの密を避ける」に徹されて、くれぐれも健康でいらっしゃいますようお祈りしています。皆さん、こんにちは。新型コロナウイルスが世界中で猛威をふるい、日本でも非常事態宣言の発令や小・中学校の休校継続、事業態勢の変更など、これまでに経験したことのない状況となっています。皆様もさまざまに不便や不安をお持ちかと思いますが、「手洗い・うがい・咳エチケット・3つの密を避ける」に徹されて、くれぐれも健康でいらっしゃいますようお祈りしています。

 さて、現下のコロナ危機では、平常心でいることを社内に呼びかけています。平常心でいるとは、理性的な人でいること。感染者に対するいじめや嫌がらせのニュースが報道されたり、子供が卒業式や入学式を泣く泣く中止しているのに、不注意な大人が歓送迎会を挙行してクラスター感染しているニュースにはついムッとしちゃいます。しかし、私たちには反面教師として「自分は絶対しないぞ!」のメッセージに変換する力があります。

 また、情報の取捨選択も行動も、平常心のうちに意思決定しないと簡単に無意識な自動反応を許してしまいます。当地においてもティッシュやトイレットペーパーがなくなるなどの事態になりました。東京の家族からは、「オムツが店にないので、そちらで買って送ってほしい」の依頼もありました。その時期の経済新聞で、マスクの素材を製造するメーカーが「大増産でも恩恵なし...最大需要のオムツが売れていないから」の記事を読んでいたので私には訳が分かりません。この件はしばらくして沈静化しましたが、結論から言えば、情報がデマだとわかっていても店頭にトイレットペーパーがないことを見れば、単純に「困る!」と思うし、「いつでも買えないならいつもより余分に買う」のは普通です。こうなると、すでに手にしている個人の自由でも、危機下にあっては社会的で計画的な決定に従うことも必要と思ってしまいます。台湾や韓国では早い時期からマスク不足は解消していますが、それは逐次偏りなく行き渡ることを配給制によって実現したからです。

 どんなときにも決して手放したくない自由は、理性的な人の中に必ずある「人に対する優しさ」でしょうか。人類が新型ウイルスと戦っている今、世界の至るところで人々は毅然とふるまい、希望を高めるような行動をとっています。世界中の医師や看護師さんたちは患者の命を守るために自分たちの快適な生活を犠牲にしています。家から出られない米国人はお気に入りのレストランがつぶれないように食券を事前購入し、人を助けるために行動を起こしています。大惨事が起きると人はパニックになったり、喧嘩をしたり、略奪するような印象がありますが、デラウェア大学のデヤング氏によれば、危機にこそ人は団結し、社会的な存在感を示すと言います。

 このようなストレス下では、私たちにはオキシトシンと言う神経ホルモンが分泌されるそうです。これは脳の社会的本能を絶妙に調整していて、人との共感を高め、さらには大切に思う人たちを進んで助けたり支えたいと思う気持ちにしてくれます。困難なときだからこそ理性的な人として頑張る人への声援と優しい気持ちを素直に伝える、そして何より自分を感染から守り切ることで周囲に貢献するよう、私もわが社も最善を尽くしたいと思います。組織の代表として最後に欲を言って良いですか?普段は「時間がない」と後回しにしていることへの挑戦も。アイザック・ニュートンの「万有引力の法則」も「微分積分」の考え方も、17世紀のペストの感染拡大で英国ケンブリッジ大学が休校に追い込まれ、故郷に帰ったときの思索の中に生まれています。

 災いを転じて福に。そのチャンスを手にしていると思って。

プラスデコ代表 原田 学