私のイチオシ、紹介します! 『エッグマン』
『エッグマン』 辻 仁成(著) 出版社:朝日新聞出版
主人公の元料理人サトジは行きつけの居酒屋で昔好きだった女性マヨと再会する。彼女は離婚し、娘のウフと二人で暮らしていた。元夫による心の傷を持ち仕事と家事・子育てに疲れたマヨと、学校でのいじめに耐えるウフを、サトジは卵料理を通して癒していく。サトジと親子が歳月 を重ね心を通わせていく様子が丁寧に描かれた優しい物語です。
著者は作家のほかミュージシャン、映画監督、演出家など多くの分野で活躍されている辻さん。レシピ本も出している著者のおいしそうな卵料理の描写は、読んでいて幸せな気持ちにさせてくれます。卵焼きや親子丼のほかスイーツなど、私もサトジの料理が食べたいと感じました。レシピも書かれているので作れます。ただ、サトジのように人の悲しみや痛みを想い作るということに魔法のようなチカラが添えられるとしたら、自分で作ってもおいしくないのかな。
幸せのヒントを感じることができる一冊だと思います。
プレゼンター 蟹澤 弘一