50歳からの眠りの習慣 良質な睡眠で体調を整えよう!

昔はすぐ寝つけたのに、最近なぜか思うように眠れない...
年齢を重ねるごとに眠りも変化していきます

 ■眠りが浅くなる
眠りの質は年齢とともに変化し、高齢になるにつれて、眠りが浅くなります。高齢者は若年者より深い眠りが少なく、小刻みに中途覚醒しています。眠りが浅いと、尿意やちょっとした物音でも目覚めやすくなり、「睡眠時間が短い」「熟睡していない気がする」と感じやすくなります。


出典:高齢者の睡眠 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

年代ごとの睡眠時間

出典:高齢者の睡眠 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
70歳前後の世代の深く眠る割合は、若い世代の約1/4程度と非常に少ないことが分かります。

 ■日中の活動量が少ない
日中の活動量が少なくなると疲れがたまらないので、短い睡眠で回復できるようになります。メラトニン(睡眠を促すホルモン)の分泌量は加齢とともに減り、社会的な交流が減って外出しなくなると、さらにメラトニンの分泌量が低下します。

■寝床に入る時間が長く、生活にメリハリがない
「やることがないから寝る」と眠くないのに寝床に入っても、当然眠れず寝床でゴロゴロしている時間が長いと、基礎代謝も減らないので、寝付きが悪くなり、睡眠の質の低下を招きます。
「寝床に入った時間=睡眠時間」と脳が錯覚し、一定時間寝ても「寝足りない」などの不満を感じやすくなります。

年代ごとの入床・起床時刻

出典:高齢者の睡眠 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

■ストレス
ストレスがたまると、自律神経やホルモンが乱れるため、睡眠時間が短くなりやすいです。若い頃のような睡眠が得られないことに焦りや不安を感じると、余計に眠れなくなってしまいます。

■病気や薬の副作用
病気や薬の副作用、持病による症状(疼痛、頻尿、搔痒)が原因となることがあります。

 

 スッキリ! ぐっすり! 快眠へ 

●生活習慣を見直す
・朝食を食べる 伝統的な和食が自律神経を整える
和朝食
・午前中に太陽光を十分浴びる セロトニン「幸せホルモン」を体に満たす
・ウォーキングなど軽い運動がおススメ、夕方までに

・喉が渇かないよう塩分の多い食事は見直す
・夕食は寝る3時間前までに お腹がすいたら温めたミルクや豆乳を飲む
・コーヒーや濃いお茶、アルコールは寝る3時間前から口にしない
・寝る前の1時間はテレビやスマホ、パソコンを見ない
40℃前後の湯船につかる 遅くとも寝る30分前には出る 体の熱を冷まして布団へ

時間にゆとりがあっても寝床での長居や昼寝を避け、日中は活動的に過ごして生活にメリハリをつけましょう!

●ストレス解消「紙破りセラピー
悩み事などで眠れない時、イヤな気持ちを具体的に紙に書きビリビリと破って捨てます。
「感情のラべリング」といい自分の感情を理解し、高ぶった気持ちを落ちつかせます。

●布団の中で「リラックス体操」

     手を握って開く
仰向けに寝て利き手で反対側の手の平をギュッと握り、次に両手を一気に開いてパーの形にします。左右交互に。

     足指を動かす
片足ずつ、グーパーを繰り返す。コツは猫の足のイメージで指に力を入れて縮め、次にパッと足の指を開きます。

     肩の上げ下げ
首をすくめるように両肩を上げ、フッと力を抜いて肩を落とす。

     ラストは深呼吸
深く息を吸い込み、息を止め数秒間そのままにしてゆっくり息を吐きだします。呼吸は腹式呼吸を心がけましょう。

※ポイント:①~④全て数回繰り返す。動かしているところや呼吸への意識を集中させ瞑想のイメージで。

●20分以上眠れなければ、一度寝室から出る
大事なのは睡眠の長さではなく、どれほど気持ちよく寝たかという睡眠の質
眠れないことでイライラすると不安時に出るストレスホルモンのノルアドレナリンが分泌されます。「眠らなければ!」という強迫観念を持つことで反対に眠りが遠のいていく皮肉な結果に。眠れないときは、無理して眠ろうとしないことが大切。時計やスマホを見ると眠れない不安を強くするのでNGです。
部屋の明かりは暗めに調節、ノンカフェインのお茶でも飲みながらゆっくり過ごし、眠気を感じたら寝室へ。

年を重ねたら、若い時より睡眠量が減るのは自然な事だと考え大らかに受け止め、自分に合ったできそうなことから取り入れてみてくださいね。



出典:e-へルスネット(厚生労働省)、50歳からのこれでグッスリ!! 眠りの習慣(著 保坂 隆)
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