社長の思いつ記
幸せに通じる道
皆さま、こんにちは。新緑の季節をいかがお過ごしですか。山や森の緑がみずみずしく感じられるこの頃が私は一番好きです。芽吹きの鮮やかさばかりに目が向きますが、植物や木々をよく知る知人によれば、彼らはどの季節も必要な戦略をもってたくましく生きているのだと言います。聞きかじりですが、光合成は、葉の中にある葉緑体という器官で行われていて、木は必要のなくなった葉を落とすときに、そのまま葉を落とすわけでなく、葉緑体を分解してミネラルなどの栄養分にして、枝や幹へと戻してから葉を落とすのだそうです。
4月には当社グループにも新入社員が入りました。カムバック入社を予定している人もいます。まさに芽吹きの人たちに、迎える側の、しかもベテランの私などは、どんな栄養分を準備してあげられるか、以前よりも責任を感じるようになりました。新人さんを迎えるときの心境は、「力強い仲間を得た」よりも、「何を遺してあげられるか」に明らかに変わっています。この人たちが、リーダーとして人を率いるようになる頃は、私は現職を辞しているでしょうし、命だってないかも知れません。間違っても、彼らの定年を「永らくよく頑張ってくれた」と労うことはできないのです。
私は、新入社員さんを前に挨拶するとき、入社を「おめでとう」とお祝いしたことがありません。誰もが知る大企業でもなく、彼らが何としても入りたいと願った当社ではないことぐらいわかっています。ですから、「NCCにようこそ。入社ありがとう!」と伝えますし、「いつの日かご家族や友人から、〈いい会社に入ったね〉と言ってもらえるような会社にするよう私は働く」と、約束しています。振り返れば、そんな約束をし続けて、もう20年以上も経ってしまいました。口ばっかり!と、きっとみんなの陰口は必至でしょうから、さすがに焦っています。
仕事は給料を得ることはもちろんですが、私は幸せになるためにしたいし、してほしいと思ってきました。幸せは人それぞれに違うので、当社の思う「幸せ」とピッタリ合わないことはあると思います。それでも、共通していると思うのは、自分のことや現在のことよりも、誰かのことや未来の結果(目標や目的)を考えて、今の私の態度を決めたり行動していることだと思います。
当社で採用している研修の一つに「7つの習慣」というプログラムがありますが、この中で学ぶ最初の習慣は「主体的であること」です。そこでは、主体的であることを、「感情に振り回されないで、理性的に自分の行動をコントロールしている状態」と学びます。放っておいたら自分本位で刹那的な私たちなので、今の楽や目先の損得に流されてしまいます。気分はどうあれ、意識的に未来(目標)のために、今、するべきことをしている私たちは、幸せの道を歩いているのだと思います。たとえば旅行は、行き先に着くから楽しいというより、行程すべてが楽しく、それが旅というものなのと一緒で、幸せもそれが幸せに続く道なら、多少は雨が降ったり、上り坂だったりしても、それでも幸せなものだと思うのです。
私は仕事をしなかったら、誰かの役に立つということが、自分に踏ん張る力を与えてくれると気づかなかったでしょうし、期待されることは重荷とすら思うクズな人間でした。当社に入ってから、「会社や仕事を、自分を知ったり、成長させる手段にすること」を理念に掲げたのは、そのような態度には価値があると思うし、幸せに通じる道だと思っているからです。人の幸せはそれぞれですが、人と比較せず、相手任せにせず、あなたの人生の目的に向かって、それに通じると思える時間を少しでも多く重ねることは、まさに幸せのただ中を進んでいるときだと思います。新人さんには、無意識に思ってしまう「できない」より、意識的に思う、「したい!」からはじめて、「そのためにどうすればいいか?」の創造力を働かせてほしいと思いますし、私はそれを応援したい。
創業メンバーが集い、志を持って歩んでくれた頃は苦労の連続で、楽なときはなかったと思います。それが今では、願えば協力いただけるようなパートナーに恵まれ、いい目ばかりを見させてもらっています。現役の私たちが何にも挑戦しなければ、先輩たちにも後輩たちにも合わせる顔がありません。
NCCはナイス・チャレンジング・カンパニー。そんな気概と実践する姿だけは、遺してあげたいと思います。
プラスデコ代表 原田 学
プラスデコのこと|社長の思いつ記
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